鍵や錠前の歴史
世界で最も古い鍵とされているのはエジプト錠と呼ばれている木製の鍵で、紀元前200年頃に利用されていたといわれている。それ以前は、複雑に結んだ紐を鍵の代わりとして利用していました。
日本で発見された最古の鍵は、大阪府羽曳野市にあるの野々上遺跡で1998年に出土した海老錠と言われており、西暦630年頃の錠前だと推定されています。現代の日本では考えにくいことですが、江戸時代の日本では、庶民にとって鍵は必要のないものだったそうです。
江戸時代の治安はとても良く、用心する際は心張り棒で戸締りをしていたそうです。この江戸時代で鍵を使っていたのはお金持ちが蔵にかけるぐらいで、当時の鍵は今ほどの防犯性能はなく、手で簡単に開けられるような飾りだけのようなものだったそうです。しかし、城門の閂には頑丈な錠前が付けられていたそうです。
鍵といえば鍵穴のある物を想像するかと思います。しかし、現代では家庭で使えるオートロック式の錠前やカードで開錠できる錠前、指紋認証で解錠できる錠前など電気錠が多数登場してきています。これら電気錠には鍵穴が無いので、もっとも有名な不正解錠の手口であるピッキングが物理的に不可能となります。
鍵や錠前の発達により防犯対策やセキュリティ強化が可能になっていますが、それだけ江戸時代と比べると治安が悪くなっているとも言えるのが残念です。